留学中、病気や怪我で海外の病院を受診する可能性があります。
しかし私たち日本人が海外の病院を受診すると、すごい額の医療費を請求されるんです。
今回はもしもの時のために入っておいたほうがいい「海外保険」について、また海外の薬事情についてご紹介したいと思います。

1.留学先の国の医療について調べておく
各国で様々な医療システムがありますが、日本を含めた多くの国では「国民健康保険」に加入している人のみ、比較的安価に受診できます。
日本でも国保に加入していれば3割負担で受診できますが、加入していなければもちろん10割負担です。
私は一度、日本に一時帰国した際に10割負担覚悟で受診しようとしましたが、「海外在住の方は150%負担になります」と言われ、諦めて帰ったことがあります。
日本の場合は、海外から来た留学生でも日本の国民健康保険に加入することができますが、それは国によって様々です。自分が住む国の医療事情について、よく調べておきましょう。

2.福祉国家は医療費もタダ?
現在私が住んでいるスウェーデンは、福祉国家として認識されていますが、税金を払っていても医療費は発生します。
病院全てがタダではないんです。年間で払う医療費の上限が設けてあって、それ以上は無料になるのですが、普通に健康的な生活を送っていれば上限に達することはありません。
しかもこれはあくまで病院を受診した場合のみで、薬代は別途かかります。
年齢や受診する科によっては無料ですが、成人が病気や怪我で受診する場合は基本的には有料です。

3.入っててよかった「海外保険」
一度、まだ学生として留学している時に脚を怪我して病院にかかりましたが、3回通院した合計が約10万円でした。
しかし幸いなことに、私は留学前に加入していた海外保険が全額カバーしてくれました。私の場合は緊急で受診したので、一旦自己負担で支払ったのですが、きちんと請求したら全額戻って来ました。
海外保険には、近くの病院を探して予約してくれるものや、支払い自体を保険会社がしてくれるものも多数あります。予約や支払い交渉を保険会社の方がしてくださるので、言葉が不安な方も安心だと思います。
留学期間が長くなると、必然的に保険料も高くなりますが、もしものときに備え、加入しておくことをおすすめします。

4.歯医者は別モノ
海外保険に入っていても、歯医者だけは適応外となる場合があります。それは国によって、歯医者だけ物凄く高い医療費を設定している場合があるからです。
スウェーデンも歯医者はとても高く、気軽には行けません。
海外保険の内容をよく確認し、歯医者も適応されるのか見ておきましょう。オプションで付けることもできるので、不安な方は多少高くても付けておいた方が安心です。
でもその前に、虫歯や歯のトラブルはできるだけ日本で治してから出発しましょう。

5.気軽には買えない風邪薬
日本では薬局へ行けば様々な症状に合った薬を簡単に購入することができますが、海外だとそう簡単にはいきません。
国によってまちまちですが、私が住んでいる国では、お医者さんからの診断書がないと治療のための薬を買うことはできません。
また、風邪薬が薬局で買える国でも、日本のものとは成分が違っていたりするので、服用するのはちょっと怖い気もします。
歯磨き粉ですら日本のものと海外のものではフッ素の量が違います。日本では日本人の体格や体質に合ったものが売られているのでしょう。
体調を崩しやすい人や、常に服用している薬がある人は、できるだけ日本から持って行った方がいいでしょう。
コンタクトレンズも同じメーカーで同じ度数の物が手に入るか分からないので、日本から持って行くことをおすすめします。
6.海外のマスク事情
日本では年中マスクをしている人を見かけますが、海外でマスクをしている人は全くと言っていいほどいません。(空気が汚いためにマスクをしている国は除きます。)
特に欧米では、マスク=重病人と捉えられることも多く、私も一度のどが痛かった時にマスクをつけて学校へ行ったら、周りが騒ぎ出し、すぐに家に帰されました。重病人は学校に来るなってことだったんですね。
日本では当たり前のようにしているマスクですが、欧米では人前ではしない方がいいでしょう。
病院はお世話にならないのが一番ですが、身の回りの環境がガラッと変わる海外留学では何が起きるか本当に分かりません。万全の準備をしてから出発した方が安心ですね。