◆鍵、どうしますか?
ホームステイで来た人の中には、時差ボケに耐えられず、朝になっても起きて来ない人がいます。そうすると、ホストファミリーの一家全員が出掛けてしまってから起きてくる…なんてこともありえます。特に昨今、日本では核家族化に加えて共働きのケースも多いため、時差ボケなど関係なしに普通に起きても家族が全員もう出掛けてしまっているということは実際にありうる話です。
また、ホームステイで来た人がホストファミリーの誰よりも早く帰宅することもありえます。
このようなケースに対応するために、ホームステイで来た人が鍵を使えるようにするのが望ましいです。そこで問題となるのは、「鍵をどうするか」です。

◆いくつかの方法がある
「鍵をどうするか」という問題に対して、いくつかの解決方法があります。
一番シンプルな方法は、合鍵を作ってホームステイで来た人に持たせる方法です。
ただ、この方法の欠点は合鍵をなくされた場合が不安ということです。「なくした」と言いつつ、ちゃっかり自分のものにしてしまい、ホームステイが終わった後もホストファミリーが不在時にちょくちょく出入りしていて…なんてことになったら、嫌ですよね。
それに、最近では合鍵が作れないタイプの鍵も出回っています。
なくす心配がない鍵として、暗証番号を入力するタイプの鍵があります。このタイプの鍵には、物理的なものと電子的なものがあります。
電子的なものは、開錠(あるいは施錠)された時に家の所有者にメールが届いたり、外出中でも暗証番号を変更することができたりします。
セキュリティー面も優れているのですが、ホームシックになった子や引きこもりがちな子を預かったホストファミリーにとっては、ホームステイで来た子がきちんと通学したかどうかの目安としても使うことができるかもしれません。

◆電子的な鍵の怖さ
それほど優れた電子的な鍵なのですが、困った問題も起きます。それは、停電ではありません。
このタイプの鍵は電池で動くことが多いので、停電で機能しなくなる心配はありません。
2017年8月17日に、CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集した記事によると、「RemoteLock LS-6i/6000i」という電子的な鍵(スマートロック)が操作不能に陥ったそうです。
今回の原因は「ソフトウェアのアップデートがユーザーのロックに配布されたが、その後、当社のサーバへ再接続することができなくなった。このため、リモートで修正することができなくなった」ということで、平たく言えば「アップデート後のソフトウエアのバグ」が原因でした。
この電子的な鍵は、どうやら、入力された暗証番号を、センターに登録してある暗証番号と照合して開錠するかどうかを判断していたようです。
確かに、鍵そのものに正しい暗証番号のデータを持たせるよりは、鍵から物理的に離れたセンターで正しい暗証番号のデータを保管しておく方が安全そうです。
もし鍵に正しい暗証番号を持たせていたら、鍵そのものがハッキングされたらいつでもエラーなく開錠できてしまいますから。
ただ、このことは逆に、もっと困った問題も孕んでいます。それは、正しい暗証番号を管理しているセンターそのものが乗っ取られたり、不正にアクセスされるかもしれない、という問題です。

◆時間もかかる
もちろん正しい暗証番号を管理しているセンターは、それなりに防御されているはずです。そんな乗っ取りや不正アクセスといった問題は、そう簡単に起きるものではないでしょう。
ところで、今回の「アップデート後のソフトウエアのバグ」というだけの原因で起きた事件は、鍵を修理して交換する必要があるとのことです。
それゆえに、また鍵が使えるようになるまで最低でも1週間、鍵のない状態で過ごさなければならないそうです。
ちなみに今回の事件を起こした製品のメーカーさんは、Airbnbのパートナー企業さんの1つです。確かに遠隔で暗証番号を変更できる電子錠は、Airbnbとの相性も良さそうです。
とは言うものの、1週間も鍵が壊れていては、家主不在型のホストは大いに困ることでしょう。まだ家主居住型であれば、鍵を物理的なものに取り替えるなどの対応が容易かもしれませんが(もちろん「中に入れないから何もできない!」といった状況も考えられますが)。
特にAirbnbの場合、予約のキャンセルなどを行うと評価が下がる可能性が大です。

◆オススメの方法は?
合鍵はなくされたら嫌だし、かと言って暗証番号を入力するタイプは不安だし…そんな方に日本ホストファミリー養成協会がオススメしているのは「キーボックスの活用」です。
キーボックスは、その名の通り、鍵を入れるための箱です。
箱と言っても、これは単なる箱ではなく、ドアノブやフェンス、パイプなどに取り付けることが可能です(もちろん取り付け可能な太さは限られていますが)。
例えば、鍵を入れたキーボックスを、お風呂場の窓のフェンスに取り付けておく。ホストファミリーより先にホームステイで来た人が家に戻って来た場合は、このお風呂場の窓のフェンスからキーボックスを取り外し、中の鍵を取り出して家に入ります。
ホストファミリーが全員外出した後にホームステイで来た人が家を出る場合は、帰宅する場合とは逆にキーボックスに鍵を入れてからお風呂場のフェンスにキーボックスを取り付けてから出掛けます。
このようにすれば、安心して鍵の受け渡しが可能です。
ちなみにこのキーボックス、しばしば大家さんが空室の鍵を入れていることがあります。キーボックスに鍵が入って入れば、大家さんが鍵を届けに行かなくても不動産屋さんがお部屋を紹介することができます。それと同じような感じで使えば良いのです。
古典的かもしれませんが、確実・安全・安心なのが一番だと思いませんか?
日本ホストファミリー養成協会では、ホームステイを始めたい方や、ホームステイを受け入れた方に、より充実した受け入れのためのノウハウを提供しております。お問い合わせはお気軽にどうぞ。
なお、日本ホストファミリー養成協会では、キーボックスの販売は行っておりません。キーボックスは一般的にホームセンターで販売されております。
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