◆ラグビーW杯
ちょうど9月20日で2019年のラグビーW杯まであと2年となりました。
日本でも五郎丸選手が有名になったり、日本の代表チームが海外の強豪チームに初めて勝つことができたりしたことで、少しずつラグビーの人気が出てきました。それでも日本でのラグビーの人気は、海外と比べると、まだまだです。
そう言えば先日、我が家にホームステイしたスイス人はオールブラック(ニュージーランドのチーム)のポロシャツを着ていて「ラグビーを観戦するのが好き」と言っていました。日本ではサッカーや野球のユニフォームを着ている人を見ることはあっても、あまりラグビーのユニフォームを着ている人を見ませんね。
ところで、2019年のラグビーW杯は、どこの国で開催されるか、ご存知でしょうか。
あまり話題になっていないのと、2020年の東京オリンピックにかき消されてしまっているのとで、ご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんが…2019年のラグビーW杯は日本で開催されます。

◆色々な意味合いがある
この2019年のラグビーW杯が日本で開催されるのには、色々な意味合いがあると思われます。
まずは何と言っても、2020年の東京オリンピックの前の年に開催されることもあり、「おもてなし」などについて再確認するような意味合いがあるでしょう。
それと、この2019年のラグビーW杯には、東日本大震災からの復興という意味合いもあります。特に、会場の1つである釜石では、釜石を拠点とする日本のラグビーチームがある、というのもそうですが、そのラグビー場そのものが被災したという経緯があります。
もちろん、大会のスケジュール上、すべての試合を釜石で行うわけにはいきません。ラグビーW杯ではグループごとに試合を行ったあと、決勝に進んでいくシステムのため、全国の10ヶ所ほどの地域で試合が開催されます。そのような点では釜石に限らず「地域活性」の意味合いもあるのでしょう。

◆熊谷に注目すると
そのラグビーW杯の会場の1つに、熊谷があります。
埼玉県の中でも熊谷は群馬県に近い側で、(ちょっと失礼ですが)東京の隣にある県だとは思えないような感じの場所です。もちろん、元から「ラグビー版の春の甲子園」とでも言うべきイベントが熊谷で開催されていたので、単なる地域活性ではないことは確かです。でも、地域活性を考える必要がある場所です。
熊谷の会場は、熊谷スポーツ文化公園の中にある熊谷ラグビー場で開催され、3万人が収容される予定です(元々2万人程度しか収容できませんでしたが、現在は改修工事中とのことです)。
ところで、同じ熊谷スポーツ文化公園の中にある陸上競技場で開催されたサッカーの試合では、高々1万人が観戦したにもかかわらず帰りの交通がキャパオーバーしたそうです。それはそうでしょう、仮に1台に50人が乗ったとして、1万人をさばくのには200台ものバスが必要になります。仮にこの200台が5分ごとに出発したとしても1000分…待てません。
この熊谷スポーツ文化公園から最寄駅までは4kmもあるので、普通に歩くと1時間はかかります。これを観戦後に歩くのは、結構シンドいことだと思われます。
もちろん、箱モノや交通インフラというだけで「地域活性」というのはお粗末です。それだけにとどまらない「地域活性」の可能性があります。

◆現地に滞在させる
熊谷で帰りの交通がキャパオーバーした、というのは、それだけ試合会場の近くに滞在する人が少ない、ということです。もし、試合会場の周辺からやってくる人しか試合を観戦しなければ、公共の交通手段を使う必要はないので、交通がキャパオーバーを起こすことはありません。
つまり、試合会場の周辺からやってくる人を増やせば良いのです。
試合会場の周辺からやってくる人を増やすのに、試合会場の周辺にホテルを作ることは、得策ではありません。ホテルは民間が運営するものであっても「箱モノ」を増やすだけのことです。新たに「箱モノ」を増やさずに試合会場の周辺からやってくる人を増やす方法は、試合を観戦する人が試合会場の周辺にあるご家庭にホームステイすれば良いのです。
既に佐賀県では熱気球のW杯で選手やコーチをホームステイで対応しています。それをもう少し広げて観客を受け入れるホストファミリーがいれば交通がキャパオーバーするのを回避できるのではないでしょうか。

◆ホームステイを地域活性につなげる
試合を観戦する人々は、何も試合を見るだけのために来日したとは考えられません。試合を見たついでに食事もしますし、お土産も買います。
特に海外から来た人でしたら日本らしいもの、例えば神社仏閣などを見学するかもしれません。熊谷という場所は、農業も行われているので、例えば日本の長ネギの畑を見学するなどということもしてみたいかもしれません。
でも、試合会場の周辺に宿泊施設がないとしたら、海外から観戦しに来た人々は大宮あたりにでも宿を取るのでしょう。熊谷には大してお金が落ちずに、別の場所、特にホテルなどが十分にある場所にお金が落ちることになります。
大宮あたりに宿泊して、試合会場まで1時間以上もかかり、さらに帰りは駅に向かうバスに乗れずに電車を逃したなどとなれば、「おもてなし」どころか物凄くヒドい大会だったということになりかねません。
観戦者が熊谷の一般家庭にホームステイすることによって、試合のついでに熊谷の名所を訪れることが可能になりますし、滞在時間が長くなれば長くなるほど、より多くのお金が落ちます。最低でも食費は必ず支払われますので。
もちろん、当初の懸念だった交通がキャパオーバーする問題も解決できますし、それに加えて地域活性あるいは経済効果も見込まれます。
そして何よりホームステイを受け入れるという方法のメリットは行政も企業も誰も余計なコストをかけなくて良い点です。
なお、意外と知られていませんが、ホストファミリーは有償ボランティアです。受け入れるのにかかった費用はホームステイで来た人から受け取ることが可能です。そのため、ホストファミリーも余計なコストを支払う必要はありませんし、準備のために一時的に出費をしたとしても長期的に見ればその出費は帳消しになります。

◆問題はホストファミリー
観戦者がホームステイすれば一石二鳥だということは良いのですが、問題はホストファミリーです。
ホストファミリーの対応が悪ければ、やっぱり「何が”おもてなし”だ」ということになりかねません。ホームステイする人にとっては最もよく知っている日本人であるホストファミリーの育成が必要となります。
それだけではなく、これからホストファミリーになっても良いかなと考えている日本人としては、「変な外国人が来たらどうしよう」ですとか「我が家は狭いから大丈夫かな」「違法な民泊として訴えられたらどうしょう」といった不安が多々あると思います。ホストファミリーの育成という大掛かりなものでなくても、そのような不安を解消する必要があります。
日本ではホストファミリーになるための情報が不足しています。
日本ホストファミリー養成協会では、ホームステイを始めたい方や、ホームステイを受け入れている方に、このような不安を解消し、より快適に楽しく受け入れのためのノウハウを提供しております。お問い合わせはお気軽にどうぞ。
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