窓ぎわのトットちゃんはホストファミリー

◆お昼のテレビドラマ

皆さんは、テレビドラマを、ご覧になりますか?

もしご覧になるとしたら、朝の連ドラの話でしょうか? それとも、ホストファミリーで「テレビドラマ」と言えば大河ドラマでしょうか?

確かに朝の連ドラは、もはや日本の文化として根付いていますし、日本の文化を知るのに朝の連ドラは良い教材になるかもしれません。大河ドラマも、戦国時代の日本の様子を垣間見るには良い教材でしょう。

ただ、今日、話題にするテレビドラマは、どちらでもありません。

 

今回、ご紹介するのは、今(2017年10月)テレビ朝日系列で放送されている、お昼のテレビドラマです(この時間帯は「帯ドラマ劇場」って言うんですね)。

2015年に「同一司会者の番組で放送1万回」というギネス記録を樹立し、今もなおその記録を伸ばしている『徹子の部屋』という番組があります。
この番組の直後に、『トットちゃん!』というテレビドラマが放送されています。

この『トットちゃん!』、なかなか面白いです

 

◆窓ぎわのトットちゃん

このドラマのタイトル及び放送時間帯から連想できるように、このドラマの主人公は黒柳徹子さんです。

連続ドラマの最初の数回は黒柳徹子さんが生まれる前のお話で、黒柳徹子さんのお父様に当たるバイオリニストの黒柳守徹(もりてつ)さんと、お母様に当たる門山朝(ちょう)さんのお話が続きました。

黒柳徹子さんが生まれて、普通の小学校に入って、ヒヤヒヤする出来事があって、お母様が学校に呼び出されて、小学校1年生の1学期中に転校し…(恐らく)1981年に出版された『窓ぎわのトットちゃん』と同じようなストーリーが続くのでしょう。

 

『窓ぎわのトットちゃん』、読んだこと、ありますか?

筆者も20年以上前に読んだことがあるのですが…色々と忘れているものです。あるいは、ちょうどドラマで黒柳徹子さんのご両親のお話にそれなりの回数を充てたのと同じように、これはドラマのために色々と加筆されているのかもしれません。

 

「あれ、そんな場面、あったっけ?」と思うような場面の1つに、2017年10月24日に放送された第17回では、黒柳守徹さんが所属する帝都交響楽団の指揮者アラン・ヴォルグが登場します。

皇族にも教えたダンスが禁止されたり、お芝居の原稿が検閲に遭って上演できなかったり、トットちゃんのご両親が最初に暮らしていたアパートの住民が徴兵されたり、トットちゃんの同級生のお兄様が学徒出征で不在だったりと、戦争が激しさを増している、そんな時代が舞台です。

 

◆注目すべき場面

ドラマでは帝都交響楽団の最後の演奏会が開かれました。その演奏会を終えたヴォルグは、翌日、軽井沢にある外国人疎開地に行くことになっていたのですが、その前にトットちゃんの家で食卓を囲み、そのままトットちゃんの家に一晩泊まっていきました

あれ、これってホームステイですよね?

 

暖かく家族の一員という感じに受け入れ…
トットちゃんの弟の明児(めいじ)が弾くバイオリンを聴き…
夜空の下で庭に腰を下ろしてトットちゃんとお話をする…

…素敵なホームステイですよね。

 

これが戦時中であるとか外国人疎開地という呼び名の拘置所に滞在させられる前の最後の夜という話を抜きにすれば、ですが。

 

◆ドラマに詳しい説明はないけれど…

ついでに触れておくと、この指揮者はユダヤ人です。

1939年にナチス・ドイツが2週間でポーランドを征服した頃からユダヤ人を強制収容所に送る動きは激しさを増しました。ナチス・ドイツの、ユダヤ人に対する非道な扱いに対し、少数ではありますがユダヤ人を密かに保護する人が現れました。

映画『シンドラーのリスト』ではシンドラーが保有する軍需工場に労働者としてユダヤ人を採用することで、ユダヤ人が強制収容所に送られるのを防ぎました。
「日本のシンドラー」と呼ばれる杉原千畝は、リトアニアのカウナス領事館で1940年7月から8月にかけて外務省の訓令に反して大量にビザを発行したことで、ユダヤ人が日本に逃亡するのを手助けしました。

 

なお、日本のホストファミリーが「日本の歴史」について知らないとカッコ悪いので念のため書いておきますが…

第二次世界大戦中の日本は元々1936年に猶太人対策要綱が制定され、「ユダヤ避難民の日本への入国(経由地としての通過に限る)を行う」としていたのが、3年後の1939年に日独伊三国同盟を結んだことによって外務・内務・陸海軍の間でユダヤ人差別を指示するという二重外交を展開していました。

それが故にユダヤ人に大量にビザを発行した杉原千畝は戦後の人員整理で外務省をクビにされ、職を転々とし、他界後14年してようやく外務大臣が彼の功績を認めるという、随分とヒドい扱いでした。

 

もうちょっと第二次世界大戦中の日本とユダヤ人について触れておくと、当時、日本が占領していた上海には「上海ゲットー」がありました(ゲットーとは、強制的にユダヤ人が住むように割り当てられた地域で、生活環境は劣悪です)。

当時ヨーロッパ大陸にあったゲットーでは、ゲットーそのものが封鎖されてゲットーにいたユダヤ人はその場で殺されたり強制収容所に送られました。それに対し上海ゲットーでは、上海ゲットーにいるユダヤ人を引き渡すようにドイツ人が日本に圧力をかけましたが、上海ゲットーは1945年9月3日に解放されました。日本の終戦が1945年8月、ドイツが同年5月です。

 

◆改めてドラマ

(どういうワケか日本の中学・高校で習う歴史には、日本国内で起きた出来事について詳しい説明がなされていないこともあり)ちょっと話が脱線しましたが、ドラマの話に戻ります。

ドイツほどの惨事にはならなかったものの、日本の政府は二重外交によってユダヤ人に対して冷たい態度を取っていました。
そのような背景から推測すると、『トットちゃん!』のドラマに出てきたヴォルグという指揮者は「軽井沢の外国人疎開地に行く」という話でしたが、ひょっとすると別の場所に移動させられたかもしれません。
もちろん、東京を中心に空襲が激しくなり、外国人も疎開することを希望した人が多かったのは事実ですが。

 

ともかく、ドラマではユダヤ人指揮者ヴォルグが黒柳家に1日だけホームステイします。
舞台は第二次世界大戦の頃ですので、提供できる食べ物も限られる中ではありますが、暖かい交流があります。暖かい交流こそが、何よりのおもてなしではないでしょうか?

『窓ぎわのトットちゃん』でもそうですが、黒柳徹子さんが育った黒柳家やトモエ学園は、個性を大切にします。恐らく黒柳家の人々は戦時中でも「外国人だから」と言って差別することなく、一個人として接していたのでしょう。

ここの部分に、ホストファミリーとして大切な、人と人との接し方があるように思えます。

 

日本ホストファミリー養成協会では、ホームステイを受け入れ始めたい方や、ホームステイを受け入れている方に、このような不安を解消し、より快適に楽しく受け入れのためのノウハウを提供しております。お問い合わせはお気軽にどうぞ。

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