◆「若い女性に大ヒット中!」って?
パッケージに「若い女性に大ヒット中!」と書かれた商品をご存知でしょうか?
コンビニなどで1個30円で買える「ブラックサンダー」というお菓子です。
ブラックサンダーは、砕けたクッキーをチョコレートで固めた、親指ぐらいのサイズの棒状のお菓子です。名前の通り、見た目は黒くて、(雷と言うにはちょっと大袈裟かもしれませんが)ザクザクした食感のお菓子です。
このブラックサンダーは、いわゆる駄菓子です。ただ、2008年の北京オリンピック直前に体操の内村航平選手がスポーツ新聞の取材に対して「ブラックサンダーが好き」だと言ったこともあり、爆発的に人気が出ました。
1個30円ですが、100円ショップの中には4個100円で取り扱うお店が出てきました。いわゆる駄菓子ではあるものの、大人でも箱で買う人がいました。まさに「大人買い」ですね。
元々は駄菓子だったのですが、最近ではスーパーに行くと、大きな袋に入ったファミリーパックまで売られています。それぐらい人気のあるお菓子です。
一応、2015年7月2日のSPA!によると、ブラックサンダーの製造元である有楽製菓のに尋ねたところ、「『ブラックサンダーが美味しい』と投書をくださる方のうち、若い女性の割合が高かったので、このコピー(若い女性に大ヒット中!)が導入されました」とのこと。
他にも、このパッケージは「本場の味」など、じっくりと見ていると、随所に地味に面白いことが書かれています。
それはそうと、このブラックサンダー、海外でも文字通り「非常に」人気があるのです。

◆台湾のブラックサンダー事情
沖縄からちょっと南に行っただけという感じの地理関係にある台湾でもブラックサンダーは人気です。
どれぐらい人気か、と言うと、日本から輸入された20万個のブラックサンダーが、たったの2日で売り切れるほどです。
参考までに、台湾の人口は2,300万人ほどです。
2016年8月11日の産経WESTによると毎年1億個のブラックサンダーが売れているそうです。年1億個ということは、2日だとざっと55万個です。
人口1億2千万人の日本から見ると、台湾の人口は6分の1しかいません。にもかかわらずたった2日で20万個が売り切れました。
それほど爆発的に売れるブラックサンダーです。品切れが相次ぎます。
「あそこのスーパーには売っていない」「売り切れだ」となると、ブラックサンダーを買うついでに他のものを買う買い物客を取り逃がしてしまいます。
お客様を確保したい。より多くのお客様に商品を届けたい…そのような流れで、台湾のスーパーマーケットなどでは1人が1日に購入できるブラックサンダーの数量が制限されるという事態になりました。
これ、イメージできますでしょうか?
かなり異常なことです。

◆人気が事件に発展…
参考までに、日本で1人が1日に購入できる数量が限られているものを書き添えておこうと思ったのですが、筆者が知る限り良い例は日本に見当たりません。
最近の例ですと電子タバコなどが数量制限されてはいます。
ただ、電子タバコは喫煙者にしか関係のないものですし、そこまで普及している実感が持てないと思います。筆者の知り合いで電子タバコを持っている人は誰もいません。
確かに特売のタマゴやインスタントコーヒーなどは、時々「お1人様1点限り」みたいな数量制限がなされます。ただ、これも「通常価格で売られている別の銘柄なら買える」状態ですので台湾のブラックサンダーとは異なります。
それに良心的なスーパーマーケットですと、数量制限された特売品が買えない場合は「引換券」を発行してくれて、後日1回だけ同じ商品をその価格で買うことができるようにしてくれているお店もあります。
類似品や代替品がない、という意味では「ガリガリ君コーンポタージュ味」が需要に追いつかなくて発売直後に製造打ち切りとなったという例があります。ただ、これは数量制限には至らなかったので、これも違います。
類似品や代替品のないブラックサンダーは、コンスタントにモノは日本から届く。けれど台湾国内の需要が供給を激しく上回っている。
そんな中で数量制限が設けられたのです。
ところが、この数量制限が新たな問題を引き起こしました。
インターネットなどを用いて「お金を振り込んでくれたら代わりにブラックサンダーを買ってあげます」と言う人が現れたのです。はい、詐欺です。これが2014年の「ブラックサンダー事件」です。
このような詐欺事件が起きたことで、台湾での販売が休止される事態にまで発展しました。
そんな詐欺事件が発生するほど、文字通り「非常に」人気がある台湾のブラックサンダー事情。
販売が休止された後、落ち着きを取り戻し、改めて販売が再開されました。
筆者も2016年3月に台湾を訪れたことがありますが、ブラックサンダーを巡る物騒な様子は全くありませんでした。普通に売られています。
ただ、日本だと30円で売られているブラックサンダーが、台湾では45円ぐらいします。ちょっと高いです。
そんな訳で、今でも日本に旅行したついでにブラックサンダーをお土産として買って帰る台湾人は多いです。

◆筆者の自宅でも
筆者の自宅で受け入れているホームステイで来日した外国人にもブラックサンダーは人気です。
ブラックサンダーには、いくつかの種類があります。そんな、他の種類のブラックサンダーも彼らは気に入っていて、よく食べます。
ちなみに、このブラックサンダーは、ホームステイを受け入れているご家庭では重宝すると思います。
来日してまだ日が浅い外国人にとっては、時差の関係でついうっかり寝坊してしまうことがあります。そんな時に「とりあえず、これでも持って行って食べなさい」とブラックサンダーを渡すと喜ばれます。
ちょっとした間食であれば、「お腹が空いたらスニッカーズ」のコマーシャルでお馴染みのスニッカーズですとか、カロリーメイトですとか、他にも選択肢はあると思います。ただ、どういうワケか、間食としてブラックサンダーを選ぶ外国人が多いです。
やっぱり日本のメーカーさんが作っているものが良いのでしょうか。日本のメーカーさんが作ったものといえば、カロリーメイトも日本のメーカーさんが作っています。ただ、見たことのないものを食べるよりは、お菓子の方が食べやすい、というのもあるかもしれません。
筆者の自宅で受け入れている外国人が、全員が全員「若い女性」ではないのですが。男女関係なくブラックサンダーは人気です。
家族へのお土産や、学校の友達へのお土産としてブラックサンダーのファミリーパックを買って帰る人もいます。「抹茶味のキットカット」と並んでブラックサンダーも訪日外国人がお土産に買って帰るお菓子の代名詞になりつつあるようです。

◆抹茶味のキットカット
訪日外国人がお土産に買って帰るお菓子の代名詞と言えば「抹茶味のキットカット」を忘れてはなりません。普通にキットカットが売られている国でも、抹茶味のキットカットは売られていませんので。
それどころか、海外でキットカットといえば赤いパッケージのアレしか売られておらず、バリエーションがありません。
日本のお菓子が外国人にウケるのは、そのバリエーションの多さも一役買っています。
ブラックサンダーも、バリエーションがあります。
筆者が知っているだけでも、通常のブラックサンダーよりも薄くて手のひらぐらいのサイズの「BIGサンダー」、逆にアイスキャンディーぐらいの大きさがある「VOLT」、形状は同じでも「ゴールド」や、柿の種が入ったものや、期間限定で販売されていたプチプチ弾けるキャンディーが入ったものなどがあります。北海道には、北海道限定でホワイトチョコを使った「白いブラックサンダー」もあります。
そういったバリエーションがあることを知ると、「他のも試してみたい」と思うようです。
お菓子ではないのですが、筆者がお預かりしたフィンランド人の高校生も、炭酸飲料水のファンタを飲み比べていました。本人曰く、自分の国では見たことのない味があるのが気になったようです。
ホームステイを受け入れて、おもてなしをすることを大変だと思う人がいるかもしれません。このお菓子や飲み物のような些細なことでも、外国人にとっては刺激的な体験になります。
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