◆今までの「あらすじ」
独身女性である筆者が、ホームステイを受け入れる「ホストファミリーをやってみよう」という企画で、日本ホストファミリー養成協会の「ホストファミリー養成講座」の内容を活用しながら受け入れ準備をする。
筆者は賃貸マンションに住んでおり、大家さんがAirBnbに反対ということもあり、語学学校からAino(アイノ)というフィンランドの中学生でグルテンフリーの子を3週間受け入れる。Ainoも筆者も色々な経験をして、あっという間にお別れと同時に次の留学、それも男性2名が来るもしょっぱじめからトラブルが発生したと思いきや色々と楽しい出来事も起きて…

◆不思議な空間
私(日本人)の家なのに、現在、我が家の外国人比率は「66.6%」です。
国際結婚でもして、外国人パートナーのご両親と一緒に暮らすのだったら、そういうこともあるでしょう。でも、これは日本国内に在住の、結婚相手募集中の独身女性のお話です。

◆デリケートなトピックス
先日、香港人を交えてたこ焼きパーティーをした時のこと。
学校のことを話題にしていたのですが、この香港人とNeilsのクラスには、中国本土の子と台湾の子がいるそうです。そして、中国本土の子が何かと台湾の子をイジメるそうです。
そのことを、たこ焼きパーティーに参加した全員が残念に思っていました。たとえ国や地域が対立していても、同じクラスで学ぶ仲間として民間レベルでは仲良くできたら良いのに。
ちょっと話は脱線しますが、民間レベルで仲良くなっておくと将来的に役立つことがあるかもしれません。特に大人になってバリバリ働くようになると、職業や職種によっては外国人のお友達に相談したくなることも多々あるものです。
そんな難しい話は抜きにしても、その国に行く機会があれば泊めてもらったり案内してもらうなど、仲良くしておくと楽しいことが増えるものです。
そうそう、Ainoはほぼ毎日のように私に「フィンランドに来たら我が家に泊まってね」って言っていました。

◆永世中立国スイス
ふとNathanaelに私は「スイスはニュートラルだよね?」と尋ねてみました。
(永世中立国なんていう難しい単語がわからないから、とりあえずニュートラルという言葉を使ったのですが、これで十分に通じました)
このことがきっかけで、このパーティーの翌日からNathanaelは私に貴重な話をしてくれるようになりました。
永世中立国だから徴兵制があること。
一般的な徴兵は15ヶ月に及ぶこと。
それから…

◆すごい経歴の持ち主
15ヶ月の訓練の写真を見せてくれました。
装備や荷物で40kgも身につけていながら断崖絶壁を登っていたり、汚水の流れる排水溝の中をずぶ濡れになりながら40kmも歩き続けたり、自転車で(スイス軍には自転車部隊があるのです)丸1日走り通したり、かと思えば丸々1週間ずっと不眠不休で歩き続けたり…
「みんなナチュラル・ハイになる」とNathanaelは言いました。
それらの写真とは別に、1つのムービーを見せてくれました。
銃を持った部隊が一列に並んで、号令に従って移動したり隊形を変形させたりするムービーでした。
実はこの部隊は外国からの志願兵の部隊なのですが、このムービーで号令をかけているのがNathanaelでした。
というのもNathanaelは標準的な15ヶ月の徴兵期間の成績が良かったため、引き続き40ヶ月の特殊訓練を受けて隊長を務めている人だからです。
日本だと徴兵はありませんし、(いわゆる軍隊ではないのですが)自衛隊に入隊するのも本人の意思の上、幹部候補生と一般に別れて募集されています。
閑話休題、なるほど、だからNathanaelはマッチョなんだな、と納得。
以前、「イケメン揃い」と述べましたが、Nathanaelに関して言えば少しピチッとしたシャツを着ると大胸筋やら腹筋やらがクッキリ見えるぐらいマッチョなんです。
ついでに言うと、私はNathanaelに表現しづらい「とっつきにくさ」を感じていたのですが、こういう背景を知ったことで、その「とっつきにくさ」が消えてきました。
それにしても、まだ22歳のNathanaelです。全部で55ヶ月およそ4年半に渡って、ずっと徴兵されていたのです。イメージとしては、高校を卒業したら大学の代わりに軍隊にいたようなものです。人生の約5分の1を軍隊で過ごしているのです。
私が「とっつきにくさ」を感じたのは、普段、私は軍隊の人と接する機会がまずないからでしょう。考え方や挙動の節々に、軍人らしさが滲み出ていて、それを「とっつきにくい」と感じていたのだと思います。

◆隊長はスゴい!
このNathanaelが、「日光に行きたい」と言いました。どうやら友達に勧められて行こうと思ったようです。
私は、栃木県に住む日本ホストファミリー養成講座の受講生の家に泊まることを勧めました。でも「日光からの所要時間が長い」という理由でホテルに泊まることになりました。
彼が時間を重視したのには、理由があります。それは、彼が日光で計画しているスケジュールにあります。
午後3時ぐらいに授業を終えて、夕方6時に日光東照宮や白糸の滝を見るとのこと。そして翌日は早朝から日光男体山に登って山頂から中禅寺湖を眺めてから学校に向かい、午前11時の授業に出席すると言うのです。
なんたる強行スケジュール!
この計画を聞いた時、内心「本当にできるの?」と思いました。
でも、考えてみれば彼は隊長を務めるぐらい、体力があるのです。断崖絶壁を登ることに比べたら、男体山なんて丘みたいなものかもしれません。
隊長が無事に帰還することを祈りつつ、送り出しました。。。
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