◆今までの「あらすじ」
独身女性である筆者が、ホームステイを受け入れる「ホストファミリーをやってみよう」という企画で、日本ホストファミリー養成協会の「ホストファミリー養成講座」の内容を活用しながら受け入れ準備をする。
筆者は賃貸マンションに住んでおり、大家さんがAirBnbに反対ということもあり、語学学校からAino(アイノ)というフィンランドの中学生でグルテンフリーの子を3週間受け入れる。Ainoも筆者も色々な経験をして、あっという間にお別れと同時に次の留学、それも男性2名が来るもしょっぱじめからトラブルが発生したと思いきや色々と楽しい出来事も起き、2名のうち1名が帰国し…

◆ハウスルール No. 0
日本ホストファミリー養成協会が開催している「ホストファミリー養成講座」の受講生の間では、続々とホームステイを受け入れるご家庭が増えてきています。どこのご家庭も皆さん「ホームステイを受け入れてよかった」と口々に言っています。
ホームステイをする人もハッピー、受け入れる人もハッピーなのって、良いですよねー。
そんな受講生の中で数名、私の「ハウスルール No. 0」に興味を持った方がいました。そこで私は、実物をお見せしました。
「やりたいことは、他の人の迷惑にならない限り、何でもやりましょう」
それと、私は否定文でルールを書かないように工夫しました。
「23:30から5:30まではお風呂に入らないでください」ではなく、「5:30から23:30まで好きな時にお風呂を使えます」という具合です。
Ainoがお風呂場で髪の毛を染める時も「ダメ」と言わずに「やっても良いけど、元どおりに綺麗に掃除してね」と、基本的に肯定文で物事を言うようにしていることを伝えました。
それを聞いた受講生が「上手ですね」と言っていました。
嬉しいですね…でも、結構、神経を使うんですよ。
このハウスルールを我が家にホームステイする人に説明するとき、私は決まって「ルールは自由と創造力を奪う」ということを付け加えます。「だから私は、そう多くのルールを作りたくないんです」と。
そして私は自己紹介の後に決まって「I’d like to assist you enjoy Japan. (私は、あなたが日本を楽しむことを応援したい)」ということを言います。
そういうスタンスで、「基本、何でもやって良いけど、なるべく事前相談してね」と言っているので、今までトラブルらしいトラブルはありませんでした。
ただ、やっぱりルールって必要ですよね…

◆一人ぼっちのホストファミリー
確かにルールは自由と創造力を奪いますが、時としてルールは私達を守ってくれます。きちんと語学学校からホームステイ受け入れの書類があれば、その書類が私とホームステイの子を守ってくれます。
「語学学校に話を通していないなら、他の人のホストファミリーの家に泊まっちゃダメ」ということを私が言ったことで、日帰り出張から戻って来た私は一人寂しく食事することになりました。
テーブルに残された置き手紙には「2,3日ほどJoesの所に泊まります。良い週末を!」と書かれていました。
何だか…家出された親の気分みたい。
まぁ、2,3日で戻ると書いてあるのだから、別に家出されたワケじゃないけど…。
こんなことになるなら、Nathanaelがいなくなった分、Joesが来ても良かった?
いやいや、もしそれでJoesに何かあっても私は責任を取れないし、語学学校だってそこまでは責任を取れないからダメだな。世間一般のルールは守らないと。
次の日も、一人ぼっち。
日曜日なのに全然、楽しくない日曜日。
次の日の朝も、一人ぼっち。
Neilsは、きちんと学校に行ったのかな?
まさか、あの良い子のNeilsがグレちゃったり、していないよね?
やっぱりJoesを受け入れてNeilsの「やりたいこと」を叶えてあげるべきだった?
でも、万が一の時は迷惑がかかるんだよね?
いつも「やりたいことは何でもして良い」と言っているから、私の父や兄がこれを知ったら「ナメられたんじゃないの」とか言うかもしれない。
いや、ナメられたんじゃなくて、そういうことも言えるぐらい良い関係を築いていたんじゃないの?
あぁ、こうやって、あれこれ不安に思う時に「大丈夫だよ」って言ってくれるようなダンナさんが欲しいっ!

◆さて、どうする?
「ダンナさんが欲しいっ!」なんて冗談を言っていられるのも、この原稿を書いている今は、この”家出”事件から1週間ほどが経過しているからです。あの時の私はそんな冗談を言う余裕もなく、ほんとションボリしちゃっていました。
でも、”家出”してしまった以上、そのことを嘆いても始まりません。ほら、英語でも「It is no use crying over spilled milk. (こぼれた牛乳を嘆いても無駄 / 覆水盆に返らず)」と言うじゃないですか。
今、私にできることは、「戻って来た時にどうするか」を考えることです。
そう、私は別にNeilsにナメられているワケではありません。ただ、Neilsは今回の件で私が怒っていると思っているかもしれません。もし私が怒っている様子だったら、戻って来てもまた出て行ってしまうかもしれません。
シンプルすぎるほどシンプルですが、Neilsが戻って来た時に笑顔でいることがベストでしょう。
笑顔で「お帰りなさい」と言い、「How about your weekend? Did you go somewhere? (週末はどうだった?どこかに出かけたの?)」と明るく尋ねました。
「Joesはホームステイをやめてホテル? ホステル? に泊まっていて、そこに一緒に泊まって、明治神宮と代々木公園に遊びに行って…」いつも通り明るく答えてくれました。
ふぅ。やれやれ…

◆他のホストファミリーに聞いてみた
日本ホストファミリー養成協会の「ホストファミリー養成講座」の受講生によると、ホームステイで来た子が何か言いたくないことを言う時や、ホストファミリーとの関係がギクシャクした時は、決まって英語でも日本語でもない母国語で言うことがあるそうです。
英語でも日本語でもない母国語であれこれ言われて困った経験のあるホストファミリーが多くいましたが、今のところ私はそのような経験をしていません。
まぁ、基本的には「Enjoy Japan!」が口癖みたいになっていますからねぇ(笑)。
…なんてカッコ良く言っているけど、「ホストファミリー養成講座」があったから、こんなにゆとりを持って対処できたのでしょう。
日本ホストファミリー養成協会では、ホストファミリーのための情報を提供しています。ホストファミリーに興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。
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