【J-Hostレポート】各国のTOEIC平均点の差から分かる!日本の英語力の弱点と向上の方法

【要約】

本稿は国際ビジネスコミュニケーション協会が公表している「2016 Report on Test Takers Worldwide: The TOEIC Listening and Reading Test」を元に、英語の学習期間や日常生活での英語使用率がTOEICのスコアに及ぼす影響を検討する。その上で、日本の家庭でホームステイを受け入れることでTOEICスコアが100点ほど上がる可能性があることを示す。

 

【1章】はじめに

「2016 Report on Test Takers Worldwide: The TOEIC Listening and Reading Test(IIBC発表)」から、

(1)2016年における日本のTOEIC受験者の成績を諸外国の受験者の成績と比較し、
(2)全世界での2016年のTOEIC受験者の英語と接する状況を読み解き、
(3)日本のTOEIC受験者がどうしたらTOEICの成績を向上できるか?

について考察し、レポートとして公表する。

 

【2章】2016年における日本のTOEIC受験者の成績

IIBCのレポート」)によると、2016年における日本のTOEIC受験者の平均点は516点で、世界41位である。ただし、このIIBCのレポートには「サンプル数が500以上のものに限定しています」とあることから、正確には「受験者数が500人以上の国において41位」である。以下の順位についても同様。

TOEICにはリスニングとリーディングがある。2016年にTOEICを受験した日本人のリスニングの平均点は288点で42位、リーディングの平均点は228点で同じく42位である。

なお、1位から順にベスト5の国を挙げると、カナダ・ドイツ・スイス・ベルギー・チェコ共和国となる。1位カナダは、2位以下の平均点50点近く上回るものの2位のドイツの789点から5位のチェコ共和国は767点であり、2位から5位はそれほど点差が離れていない。

[図1]は、TOEICの合計点の平均点が最も高い5カ国と日本の合計点の平均点をグラフにしたものである。上位5カ国と比較すると2割ほど点数が低いことがわかる。

 

[図1]

 

 

リスニングの平均点と、リーディングの平均点についてもそれぞれ上位5カ国と日本をグラフにしたものをそれぞれ[図2]と[図3]に示す。なお、リスニングとリーディングは共に満点が495点である。

[図2]と[図3]から分かるように、上位5カ国よりもリスニング・リーディングともに100点ほど引き離されているのが日本の現状である。

 

[図2]

 

 

[図3]

 

 

【3章】2016年におけるTOEIC受験者の英語と接する状況

続いて、TOEIC受験者が英語と接する状況の違いがTOEICの点数にどのように影響しているかを確認する。

2016年におけるTOEIC受験者の英語と接する状況について、IIBCのレポートには(1)英語学習期間、(2)日常生活での英語使用率、(3)英語圏滞在期間、についてデータが掲載されている。本章ではこのレポートをもとに、(1)から(3)のそれぞれについてTOEICの点数にどう影響しているかを確認してゆく。

まず(1)の、英語学習期間について、英語学習期間ごとのTOEIC受験者の内訳を[図4]に示した。

[図4]から分かることは、TOEIC受験者の8割が6年以上英語を学習した人である、ということである。IIBCのレポートによると、どの国でも「受験者の年齢別割合は20〜25歳が最も多く(40%)、20歳以下が18%」とある。

 

[図4]

 

 

[図5]には、それぞれの英語学習期間別にTOEICの合計点の平均を示した。[図5]を見てわかることとして、英語学習期間が⻑くなるに連れてTOEICの合計点の平均が上昇しているということである。なお、4年以下のグループの合計点の平均(469点)と10年超のグループの合計点の平均(667点)の点は198点である。

 

[図5]

 

次に(2)の、日常生活での英語使用率について、日常生活での英語使用率ごとのTOEIC受験者の内訳を[図6]に示した。

[図6]からわかる通り、日常生活の大半を英語で過ごす人は4%しかいない。大半は日常生活で英語を1〜10%しか使わず、そのような人が4割強を占める。日常生活で英語の使用率が「なし」という人も受験生の2割を占める。

 

[図6]

 

そして[図7]は、日常生活での英語使用率ごとのTOEICの点数を比較したグラフである。日常生活での英語の使用率が高くなればなるほどTOEICの点数が高いことがわかる。日常生活での英語の使用率が51%〜100%のグループ(719点)では、日常生活での英語の使用率が「なし」のグループ(500点)と比較して200点以上も高い点数をとっている。

 

[図7]

 

最後に(3)の、英語圏滞在期間について、TOEICの点数に与える影響を見る。[図8]は、滞在期間ごとのTOEIC受験者の内訳を示したものである。

[図8]を見ると圧倒的に英語圏滞在期間が「なし」の受験者が多い。滞在経験がないのも含めて6ヶ月未満が9割近くを占め、6ヶ月以上の滞在は1割程度にとどまる。

 

[図8]

 

 

[図9]は、英語圏滞在期間ごとのTOEICの点数を比較したグラフである。英語圏滞在期間が「なし」のグループよりも「6ヶ月未満」のグループの方が高い点数であり、「6ヶ月未満」のグループよりもそれ以上⻑く滞在したグループの方が高い点数を出している。しかし、6ヶ月よりも⻑く滞在した3グループの間における点数の差は極めて小さい。

 

[図9]

 

なお、(1)英語の学習期間、(2)日常生活での英語使用率、(3)英語圏滞在期間、の全てにおいて、リスニングとリーディングの平均点の差はリスニングの方が53〜69点高い。しかしこの点差は2章で述べた通りTOEICの点数が上位の国でも日本でもリスニングの方が100点ほど高いことから説明がつく。

以上で(1)英語の学習期間、(2)日常生活での英語使用率、(3)英語圏滞在期間、のそれぞれの切り口とTOEICの点数の関係を確認できた。次に、どうしたら日本人のTOEICの点数を上げることができるのか、考察したい。

 

【4章】考察:どうしたら日本人のTOEICの点数は上がるか

本稿ではまずTOEICでの日本の順位と諸外国との点差を確認し、次にTOEIC受験者の英語と接する状況とTOEICの点数の関係を確認した。以上を踏まえて、これから「どうしたら日本人のTOEICの点数は上がるか?」について考察したい。

まずは[図5]からわかる通り、⻑年に渡って英語を学習することでTOEICの点数を上げることが可能と考えられる。先にも触れた通り、どの国でも「受験者の年齢別割合は20〜25歳が最も多く(40%)、20歳以下が18%」であることと合わせて考えると、できることなら学校教育で英語を学習するよりも前から英語に触れる機会を設けることが望ましい。

次に[図7]と[図9]を合わせて考えると、もし仮にTOEICの点数を伸ばすために英語圏に滞在することを検討するとしたら半年で十分であること、そして日常生活で50%以上、英語を使う機会を設ければ英語圏に半年以上滞在したのと同じぐらいのTOEICの点数を叩き出すことが可能だということがわかる。

50%という高い割合で日常生活で英語を使う機会を設けるのが現実的ではないのであれば、せめて11〜20%に引き上げることで6ヶ月未満の英語圏滞在と同じかそれ以上TOEICの点数を引き上げることが可能だと言える。

またIIBCのレポートによると、もっとも使用する言語能力として日本人の38%がリーディングと回答しており、この割合は世界的にも高い。英語の時間や大学でゼミの論文を読むことの他にも、英語で書かれたwebサイトを読む、海外から取り寄せた製品の英語で書かれた取扱説明書を読む、といった具合に、日本で普通に生活をしている上では英語を読むことが圧倒的に多く、英語を書く・聞く・話す機会は限られる。

仮に日常的に英語を聞く機会があるとしても、せいぜい日本向けに放送されている英語ニュースであったり、ラジオで英会話の番組を聞く程度だろう。もちろんラジオで英会話の番組を聞けば英語を話す機会もあるのだが、せいぜい5分ぐらいしか話さないだろう。

日本人がTOEICの点数を上げるには、学校教育で英語を学習するよりも前から英語に触れる機会を設けること(あるいは⻑年英語を学習すること)と、日常生活での英語使用率を上げることが必要不可欠である。I先のグラフで見ると、そのようにすることで700点のラインが見えてくることになる。

問題は、どうやって学校教育で英語を学習するよりも前から英語に触れる機会を設けること(あるいは⻑年英語を学習すること)と、日常生活での英語使用率を上げることを実現するか?である。

英会話教室や英語専門の塾に通うことも考えられるが、それでは日常生活での英語使用率を上げることは難しい。日常生活での英語使用率を上げるために最も良い方法は、家にいる時間に英語を使う機会を設けることである。

家にいる時間に英語を使う機会を設ける方法は、いくつか考えられる。

まず、家で常にBBCやCNNといった海外のニュース番組をつけておくこと、あるいは英字新聞を契約することなどが考えられる。

次に、家の中では英語を話すというルールを作ることが考えられる。この方法の良いところは海外のニュース番組や英字新聞よりは安上がりにできることである。

そして、日本語よりも英語の方が通じる人をホームステイで預かること、つまりホストファミリーになることである。

ホストファミリーであれば、家族とは普通に日本語でコミュニケーションすることができるし、家族とは日本語でコミュニケーションする方がホームステイで来た人には日本語の勉強になるので助かる。また、ホームステイで来た人と話したり、ホームステイで来た人に何かメモを書いたりメールを送るときは日本語では通じないので英語を使うことになる。

以上、日本人のTOEICの平均点が、他の国に比べて著しく低い要因は、日常で英語に接する時間が少ないということである。そして、いかに日常で英語に接する時間を増やすかが、TOEICで高得点を上げることにつながるということが考察できる。

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【本件に関するお問合せ先】j-host@jhfta.or.jp
【ホームページ】http://jhfta.or.jp/
【理念】
「世界への架け橋をあなたの家庭から!」
1.日本人が安心して外国人を受け入れられるような社会、外国人が安心して日本に滞在できるような社会にする
2.将来世界で活躍する若い芽を、日本の家庭から育む
3.世界中に日本のファンをつくる
4.子供たちが、人生を豊かに自由に描き、自分のやりたいことをして輝ける社会にする。