◆今までの「あらすじ」
独身女性である筆者が、日本ホストファミリー養成協会の「ホストファミリー養成講座」の内容を活用しながら語学学校のホームステイを受け入れる。
今まで受け入れた留学生は、食事制限のあるフィンランド人女性Aino(アイノ)、スイス人男性のNathanael(ナサナエル)とオランダ人男性のNeils(ニルス)、日系ブラジル人女性のBruna(ブルーナ)と脚が不自由なフィンランド人女性Miisa(ミイサ)、フランス人男性Antoine(アントワー)の合計6人。
連載当初は1人受け入れて終わる予定だったが、実際にホームステイを受け入れてみると面白いことや想定外のことなどが色々と起き、ホストファミリーが楽しくなってくる。一方、自分も海外に行きたいと思い、ポーランドのポズナンにてSybi(シビー)の家でホームステイをする。

◆ホームステイしていいきなり家で1人
Sybiの家に到着して、家にいたパパから家の説明を受けて、パパはサッカーの観戦に出掛けて…
…はい、私、1人っきりです。笑
初めて来た異国の人間を自宅に1人残して外出するなど、日本ではありえないですよね。あなたがホームステイを受け入れるとして、どうでしょうか?
ほとんどの日本人が、「見ず知らずの外国人を家に1人にしてくなんて危なすぎる」とか、「せっかく来たのだからおもてなししてあげよう」とか、いろいろな思考が巡ると思います。
ところです。いきなり外国人を1人置いてサッカー観戦に行ってしまったのです・・・大笑

◆Sybi、戻る
そんな感じに1人であれこれして、少しウトウトしていたら、Sybiが戻ってきたことに気づきました。
どうやらサッカー観戦に行ったパパが、観戦後にSybiと一緒に帰ってきた模様。
ちょっと余談ですが、こんな具合に一緒に帰ってくるあたり、やっぱり日本人のカップルとは違うなぁ、という感じがしませんか?
起き上がって、寝ぼけながら身なりを整えて、Sybiに会いに部屋を出ました。
Sybiは私を見つけて「ようこそ!」と言ってハグ。
日本人の私はハグに慣れていませんが…こちらもハグ。
いやぁ、嬉しいですね。今までカウチサーフィンのサイト上でしか会話していなかった人に会えました。
「ネットで知り合った人に会うなんて、大丈夫?」という人も、いるかもしれません。
確かにネット上に変な人もいるかもしれません。ただ、何回かやりとりして、「きっと良い人だ」とわかっています。
それに、世の中は信頼で成り立っていると思いませんか? 信頼が裏切られると、お互い困るのですから、そういうことはまず、ありえないと思います。

◆クラクフの話で盛り上がる
私はお土産に持ってきていた「抹茶味のキットカット」を2袋、差し出しました。
どうして2袋か、というと、明日の夜はSybiの弟さんとその子供が遊びに来るとのことで2家族分を持ってきました。
そんな折にパパが「Shihomiはここに来る前に随分と電車に乗ったようだ」ということをSybiに伝えました。
「クラクフから電車で来ました」と私が言うとSybiは「メッセージでそうするとは聞いていたけれど、本当にそうしたの」と少し驚いていました。
「長くなかった?」「はい、確かに6時間ほどかかりましたが、景色を楽しみました」
それから私は自分のノートパソコンを持ってきて、2人に見せました。
ポーランドのワルシャワ空港に到着した後、ポーランド版の新幹線でクラクフに行ったのですが、そのクラクフの街の写真を2人に見せました。
「とても綺麗な建物が多くて驚いた」という話を私はしました。ほんと、クラクフの街は建物が綺麗で、歩いていて飽きません。あちこちに綺麗な、いかにもヨーロッパに来たと感じることのできる建物が並んでいました。もう1日はクラクフにいたい気分でした。
とにかく、ブラブラと街中を歩くだけでも楽しい感じの街でした。
そんなクラクフの街には大きな広場があるのですが、この広場の脇に立派な教会があります。この教会の中も見学できるようになっているのですが、その中を見学する時間は私にはありませんでした。
とりあえず写真だけ記念に撮っておきました。
この教会の外観を撮影した写真について、パパは「どうして2つの塔の高さが違うか知っている?」と言いました。正直、私は言われるまで高さが違うことに気付きませんでした。言われてみれば、高さが違います。
パパの説明によると、2人の建築家が高さを競ったためにこうなったそうな。へー。
「とても綺麗な街なのに、建物によっては落書きが多くて…どうしてこんなに落書きが多いのでしょう?」と私は尋ねました。
日本領事館の入っている建物のすぐ近くに宿泊したのですが、その日本領事館の建物も落書きがありました。
「これはフーリガンの仕業だ」とパパが教えてくれました。
やっぱり、こういう落書きのようなことはガイドブックには乗っていませんし、地元の人に聞けば教えてもらえます。
ホームステイしたからこそ、聞けることですね。

◆事前の予習がモノを言う
綺麗なクラクフの写真の後、私が撮影した写真は…
「ポーランドに来たのだから、オシフィエンチムにも訪れようと思った」と私は言いました。「1940年から45年の5年間だけアウシュビッツと呼ばれていたこの街に行くためにクラクフに宿泊した」と私は付け加えました。
「ものすごく寂しくて、悲しくて…見学した後にものすごく疲れると思ったのでクラクフに2泊した」と。
「学校で見学したことがある」とパパが言いました。「私は怖くて行きたくないから行っていない」とSybi。
私はこれ以上、写真を見せるのはストップしました。
「実は、アウシュビッツを見学する前に、5冊ほどアウシュビッツに関する本を読んだのですが、それでワルシャワ蜂起について知りました。それでポズナンに滞在した後、ワルシャワ・ショパン空港から飛行機に乗る前に、ワルシャワ蜂起博物館にも行こうと思います」と私。
「良いところですね」とSybi。
「それにしても、5冊も読むなんて、すごい」と2人。

◆思えばAino
ともかく、ある意味定番である「抹茶味のキットカット」からスタートして、写真を見せて話が盛り上がり…という一連のスムーズな流れで思い出したのは、私が受け入れたフィンランド人Aino(アイノ)でした。
そう言えばAinoも、彼女がコスプレした写真を見せてくれたことで、色々と話が盛り上がったなぁ…私はあまりコスプレに興味はないのだけれど、「これは何のコスプレ?」ですとか、話のネタは、ありましたもの。
そう言えば綺麗な芝生の上で撮影された写真に「これは、どこか近所の公園で撮影したの?」と私が質問したら「自宅の裏庭で撮影した」とAinoが言ったのに驚いたこともありましたっけ。
ともかく、話のネタに写真を用意するのは、大いにアリですね。
もちろん、いきなりアウシュビッツの写真ばかり見せるなんてのはナシですが。
日本ホストファミリー養成協会では、ホストファミリーの皆様が安全・安心してホームステイを受け入れられるように、ホストファミリーのための情報を提供しています。
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