なぜ多くの人がホストファミリーに疲れてしまうのか?
「しばらくホストファミリーはお休みすることにしました。」
ホストファミリーに興味を持って、いざホームステイを受け入れしてみると、想像以上に疲れてしまう人が少なくありません。
人によっては大きな大きな一歩を踏み出し、やっとホストファミリーを始めたのに、楽しさよりも大変さが上回ってしまって疲れてしまうようです。
また、交換留学やロータリークラブ等で、恩返しや社会貢献の一貫で受け入れをしたものの、義務感の方が強くなってしまって、ストレスや負担が大きくなってしまう人もいるようです。
ある国際交流団体に聞いた話しでは、ホストファミリー登録をする人が1000人いたら、半分の約500人は受け入れをストップしてしまうようです。
そもそも日本ではホストファミリーをやりたいという人は多くは無い中で、勇気を持って行動した人までもがホストファミリーをやらなくなってしまうのは、当協会としても残念で仕方がありません。
そこで、なるべくホストファミリーの負担を減らして、長く続けて欲しいという思いから、ストレスを減らす5つのコツをお伝えしたいと思います。
ストレスを減らし、長く続ける5つのコツ
我が家は、2013年からホストファミリーを始めて、かれこれ6年以上の月日が流れています。我が家にホームステイしてくれた外国人の数は正確には分かりませんが、40カ国100組以上です。
何度も来てくれる人もいるので、我が家には1年中絶えず外国人がいるような状態です。
なぜこれだけ長く続けることができているのでしょうか?
また、我が家は夫婦共働きで、長男が3歳、次男が0歳の頃からホストファミリーを始めていますので、妻の負担は想像を絶するものがあったことでしょう。
たしかに私の妻はスーパーウーマンですが(そう言わないと笑)、何かしらストレスを軽減する工夫がないと、ここまでホストファミリーを続けることができなかったことでしょう。
ストレスを軽減する工夫を、5つにまとめてご紹介したいと思います。
ポイント1.おもてなし、しすぎない
ホームステイを受け入れるとなると、どうしてもおもてしをし過ぎてしまうものです。
「おもてなし(ホスピタリティ)」は、日本の誇るべき価値観の1つだとは思いますが、24時間365日ずっとおもてなしを続けることは不可能です。ホテルマンにはなれません。
特に主婦の方は、ただでさえ子供の面倒や家の事で大変な中で、赤の他人である外国人の面倒を見ることなんてできないと思います。逆にできたらすごいです。
ですから、おもてなし精神は常に持ちつつも、「ゲストではない」という意識を持つと心がだいぶ楽になります。
ホストファミリー養成講座の受講生の一人は、「孫のように接する」と言っていました。これはとても良い表現だなと感じたのですが、祖父母にとって孫は宝物のような存在。
既に「子育て」という長い仕事を終え、責任というストレスから解放されたからこそ、宝物のように接することができるのではないでしょうか。

ポイント2.お金のルールはきちんと
次にストレス軽減する上で大事なことは、「お金のルール」をきちんと決めておくことです。
よほど経済的に裕福なご家庭で無い限り、お金の負担は切実な問題です。節約を心がけている中で、ガンガンエアコンを使われたり、お水をジャージャー流しっぱなしにされたら、ストレスが溜まってしまいます。
さらには、食事の提供に関しても、毎日決められた予算の中でやりくりされているご家庭も多いハズ。それなのに高価な食材を求められたり、すごい量を食べられたら、ストレスが増えてしまいます。
そのため、水道光熱費や食事代をある程度計算して、ホームステイする外国人からしっかりとお金をいただくことをおすすめします。
学校などから受け入れると「無償」の場合もありますが、長く続けるのであれば無償での受け入れはおすすめしません。
また、外食する時、外出する時、旅行する時などの費用負担は、基本的にルールとして決めておき、必要に応じて負担してもらうことをオススメします。

ポイント3.ハウスルールを決める
次に大切なことは、ハウスルールを事前に決めて、事前に伝えておくということです。
共同生活・集団生活において、ルールはとてもとても重要です。
家族だけで生活していると、自然と暗黙のルールができあがっていたりしますが、当然ホームステイしにくる外国人にはそんなルールは知りません。
また、家族であってもルールが明確化されていないことで、たとえば妻が夫にイライラして喧嘩になってしまうぐらいですから、それだけルールをはっきりしておくことは重要なのです。
「洗面所は何時から何時まで使ってもいいのか?」
「シェワーは何時から何時までOKなのか?」
「食事を提供する場合は、どういうルールなのか?(時間、連絡など)」
「部屋の掃除、ゴミ出しのルールは?」
「喫煙、飲酒についてのルールは?」
こういった共同生活においてストレスを感じそうなところを事前にピックアップしておき、ルール化しておくのです。
そして、ホームステイ希望してきた際に、事前にメールなどで送付しておき確認してもらい、了承してくれた人だけを受け入れすると、ぐっとストレスが減ります。

ポイント4.コミュニケーションを取る
いくらルールを決めたところで、すべてのルールをいつも守れるわけではありません。
また、ルールに決めていないこともたくさんあります。むしろルールに決めていないことの方が多いので、お互いにストレスを感じた時には、コミュニケーションが大切になってきます。
ここでの一番の注意は、「◯◯しなさい!」「××してはダメでしょ!」といった命令口調や指示口調になってしまってはいけないということです。
家族の一員として、家族のルールづくりに協力してもらう姿勢でコミュニケーションを取ると、とてもスムーズに相手も受け入れてくれることでしょう。
また、食事の後に直接会話をすることがとても大切です。英語に自信がなかったり、言いにくいことを直接言うのが苦手な人もいるかもしれません。
それでも、LINEやFacebokメッセンジャーに頼ってしまうと、思わぬミスコミュニケーションを生み、より関係がこじれることがあります。
ですから、なるべく直接面と向かって会話をするようにしていきましょう。

ポイント5.適度な距離(干渉しすぎない)
そして、最後のポイントは、適度な距離を保つことです。
ついつい私たちは相手の言動に目がいってしまうものです。たとえば、食事の仕方、クセ、掃除のやり方です。
若い女の子が下着でリビングをウロウロした時はさすがに服を着るようにお願いしましたが(笑)、なるべく干渉しすぎないようにしましょう。
外国人の男性との共同生活を面白おかしく漫画にした「ダーリンは外国人」にも、「うまくいくコツ」として「干渉し過ぎないこと」としています。
とても面白くて、ホストファミリーをする上でも参考になることがいっぱいですので、ぜひご覧になってみてくださいね。

「ダーリンは外国人―外国人の彼と結婚したら、どーなるの?ルポ」
著者:小栗 左多里氏
出版社:メディアファクトリー (2002/12)
そして、プライベート空間を分けることも大切です。
ここからここまでは共用スペース。ここからここまでは自分たちのスペース。といったように線引をしてお互いそのスペースを侵さないということが大切です。
もっと言うと、玄関まで別れていると、さらにお互いのプライバシーを守ることができます。家族が住む部屋の玄関とホームステイしている外国人が生活する部屋の玄関が別れているの建物です。
「2世帯住宅」や「賃貸併用住宅」と呼ばれており、お互いのプライバシーが最大限守られた建物になっているため、ストレスがたまりにくいのです。
とはいえ、「そんな家に住んでいないよ」「そんな家どこにあるの?」といった声もあることでしょう。
当協会では、興味のある方が多いようでしたら、外国人ホームステイを受け入れしやすい「ワンルーム付き戸建て」の詳細をご紹介できたらいいなとも考えております。

まとめ
共同生活にはどうしてもストレスがあるものです。
それでも、どんなことをストレスに感じるかがわかっていれば、事前に対処しておくことは難しいことではありません。
ホームステイをする外国人も、あなたやあなたの家庭にストレスを感じるようなことはしたくはないのです。
お互いが気持ちよく生活することで、ホストファミリーを少しでも長く続けていってくださるご家庭が増えることを願っております。
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ホームステイ受け入れに興味はあるものの、不安な方がいらっしゃいましたら、お茶会にいらしてください。
少人数制ですので、ざっくばらんにお話しできますし、嘉手納に気軽に相談することもできます。